今月のニュース バックナンバー
令和4年7月号
職員だより
文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課
熱中症や水難事故防止に向けて
今夏は、例年よりも梅雨明けがかなり早く、6月下旬から猛暑日となり、暑い夏が予想されています。各学校において、熱中症の事故防止に向けてご協力いただいているところですが、救急搬送される事案も発生しております。
熱中症は、活動前に適切な水分補給を行うとともに、必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整え、活動中や終了後にも適宜補給を行うこと等、適切な対応を行うことが大切です。また、熱中症の疑いのある症状がみられた場合には、早期に水分・塩分の補給、体温の冷却、病院への搬送等適切な処置を行う必要があります。
熱中症の事故防止に向けて適切な措置や対応を行うことができるよう、文部科学省と環境省で作成した「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」や、文部科学省の「学校の『危機管理マニュアル』等の評価・見直しガイドライン」等を参考に、危機管理マニュアルの見直しや児童生徒等への事前指導等をお願いします。
警察庁の資料※によると、令和3年における水難事故は1,395件発生し、水難者が1,625人、このうち死者・行方不明者が744人となっています。このうち、中学生以下の子供については、水難事故が119件、水難者183人、うち死者・行方不明者が31人となっています。水難者744人について、発生した場所別にみると、海366人(49.2%)、河川253人(34.0%)となっています。子供の死者・行方不明者31人ついて、発生場所別にみると、半数以上が河川18人(58.1%)で、行為別にみると約半数が水遊び15人(48.4%)となっています。
水難事故防止としては、子供を危険箇所に近づけないことや、天候不良時の的確な判断、ライフジャケットの着用、遊泳時の安全確保等に留意する必要があります。特に、子供の水難防止では、子供だけで水遊び等をさせず、幼児や泳げない児童等には必ずライフジャケットを着用させ、保護する責任のある者が付き添うなど、目を離さないようにすることが大切です。
学校安全ポータルサイトの「熱中症・水難事故防止関連情報」には、文部科学省やスポーツ庁からの通知や事務連絡、関係省庁や関係団体の情報等を掲載しています。これから本格的な夏を迎えるにあたって、これらの情報等を参考に熱中症や水難事故防止に向けて、学校や家庭において、子供たちへの指導や適切な対応をお願いします。
※警察庁生活安全局生活安全企画課「令和3年における水難の概況」(令和4年6月9日)
令和4年度「学校安全行政担当者連絡協議会」を開催
令和4年6月3日、オリンピック青少年センターにおいて、学校安全行政担当者連絡協議会をハイブリッドで開催しました。対面での開催は3年ぶりとなりました。参加者数は、73名で、対面が36名、オンラインが37名でした。
第1部は、行政説明や関係省庁等からの情報提供が行われました。行政説明では、「第3次学校安全の推進に関する計画」、学校事故対応に関する指針に基づく事故報告、熱中症事故の防止、学校安全総合支援事業、学校安全教室事業、地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業、通学路のフォローアップ、青少年の有害環境対策等についての説明が行われました。また、大臣官房文教施設企画・防災部の施設防災担当から「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進に向けて」の中間報告案の概要についての情報提供も行われました。
関係省庁等からの情報提供では、次の内容の説明が行われました。
- 日本スポーツ振興センター「災害共済給付の概要や学校事故事例検索データベースを活用した事故防止について」
- 警察庁交通局「道路交通法の一部改正により、全ての年齢層に対する自転車乗用時の乗車用ヘルメット着用の努力義務化、電動キックボード等についての新たな交通ルールについて」
- 国土地理院「学校安全で活用できるコンテンツ(ハザードマップポータルサイト、地理院地図等)について」
- 総務省消防庁「消防団員や自主防災組織員による防災教育や消防団の力向上モデル事業等について」
第2部は、講義と研究協議が行われました。講義では、安全教育調査官から、学校安全の現状と課題、学校安全の基本的な考え方、実践的な安全教育や訓練の在り方、危機管理マニュアルの見直し等についての説明が行われました。
研究協議では、「各地域における第3次計画の推進」というテーマで、グループごとに、3次計画の推進に向けての好事例や今年度の予定の施策や事業、課題等について情報交換が行われました。全体交流では、日常的にヒヤリハットの情報を共有する手立てや、緊急時の対応についての実践的な訓練方法の普及の在り方などの紹介が行われました。
協議会全体を通じて得られた内容は、各都道府県や各指定都市等における学校安全への取組に生かしていただければと思います。特に本年度は、「第3次学校安全の推進に関する計画」のスタートの年です。各地域や各学校においても「第3次学校安全の推進に関する計画」の内容について理解いただくとともに、学校安全の充実に向けて取り組みをお願いします。