今月のニュース バックナンバー

令和元年6月号

職員だより

文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課

6月の学校安全の取組について

 この度、滋賀県大津市におきまして、保育所外での移動中に園児2名が亡くなり、1名が重体、13名の園児や保育士らが負傷するという大変痛ましい事故が発生しました。また、千葉県市原市におきましても、公園に車が突っ込み、園児を守ろうとした保育士が負傷する事故が発生しました。心よりお見舞いを申し上げますとともに、負傷された園児や保育士の方々の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

 園児の安全確保について、これまでも格段のご尽力をいただいているところですが、令和元年5月10日付け事務連絡を通して、幼稚園及び特別支援学校幼稚部における安全管理の徹底について改めてお願いしたところです1)
園外・校外での学習活動や学校行事、部活動などの際には、例えば、事前の安全指導、活動場所及び移動経路に関する事前調査、園外・校外活動の道中での児童生徒等の行動、学年や体力・技術等に差がある児童生徒等がともに活動することの無理や危険性、活動の場所や時刻・時間等における無理や危険性、児童生徒等の心身の健康状態の把握、自然環境の状態の把握などの安全管理、事故発生時の緊急事態への対処の体制の確立などが必要です。幼稚園及び特別支援学校幼稚部、各学校におかれましては、改めて児童生徒等の安全確保について、万全を期すようお願いいたします。

 さて、6月8日は、18年前に大阪教育大学附属池田小学校において不審者が侵入し、児童殺傷事件が発生した日です。この痛ましい事件以降、不審者侵入時の対応マニュアルの作成や不審者対応訓練が実施されるなど、児童生徒等を守るための安全管理の対応策が強化されてきています。
 文部科学省でも、各学校の参考資料として、「学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル」(平成14年12月)をはじめ、登下校時の犯罪被害への対応を追記した「学校の危機管理マニュアル~子どもを犯罪被害から守るために~」や東日本大震災の教訓を踏まえた「学校防災マニュアル(地震・津波災害)の手引き」を作成しました。そして、近年の学校及び児童生徒等の様々な安全上の課題や、「学校事故対応に関する指針」(平成28年3月)」、「第2次学校安全の推進に関する計画」(平成29年3月閣議決定)を踏まえ、「学校の危機管理マニュアル作成の手引」(平成30年2月)を作成しました。
 各学校におかれましては、4月・5月の学校安全の取組において、全教職員で危機管理マニュアルの共通理解を図り、不審者対応訓練や避難訓練等を実施されたことと思います。訓練を実施して、教職員をはじめ、児童生徒等や保護者及び地域住民(参加された場合)も、様々な気付きがあったことと思います。また、関係機関や専門家の協力を得た場合には、助言があったことと思います。これらの気付きや助言等を基に、訓練の成果と課題等を明らかにするとともに、危機管理マニュアルの改善につなげていくことが大切です。危機管理マニュアルは、実際に機能するかどうかについて、訓練を基に検証し、定期的に見直し・改善していくことで、実効性のあるものになります。危機管理は、「事前の危機管理」がその後の対応全てにつながります。いつ起こるか分からない事故等にきちんと備えるためにも、一度作成した危機管理マニュアルについて、「訓練」→「評価」→「改善」を繰り返し行っていきたいものです。

 熱中症事故の防止については、5月号の職員だよりでも述べたところですが、運動会の練習中や校外学習後に熱中症の症状を訴え、病院に搬送される事案も起きています。令和元年5月24日には、通知「熱中症の防止について(依頼)」を通して、熱中症事故の防止のための対応をお願いしました2)。これらを参考に、熱中症事故の防止に向けて適切なご対応をお願いいたします。