今月のニュース バックナンバー

平成29年11月号

職員だより

文部科学省 初等中等教育局 健康教育・食育課

11月5日は「世界津波の日」です。

 平成27年3月に仙台市で行われた第3回国連防災世界会議において、我が国では11月5日を「津波防災の日」と定めて啓発活動を行っていることを紹介し、世界中の防災意識の向上のために「世界津波の日」を制定することを提案しました。その後、日本が中心となって各国に働きかけを行い、平成27年12月の国連総会において、世界142ヶ国が共同で提案し、「世界津波の日」が制定されました。

 11月5日の「世界津波の日」に合わせて、津波防災への啓発活動が世界的に展開されることが期待されており、その結果、津波から1人でも多くの尊い命が救われることが望まれています。

※「津波防災の日」は、東日本大震災を教訓として、津波対策を総合的かつ効果的に推進するため平成23年6月に制定された「津波対策の推進に関する法律」に規定されている。嘉永7年(1854年)11月5日の安政南海地震による津波の際、村人が自ら収穫した稲わらに火を付けていち早く危険を知らせ、暗闇の中で逃げ遅れていた人たちを高台に避難させて救った「稲むらの火」の逸話に由来している。

津波防災に関連した取組①

 緊急地震速報を活用した避難訓練

 毎年、「津波防災の日」(11月5日)に合わせて、緊急地震速報を活用した避難訓練が全国的に行なわれています。

 気象庁では、中央省庁や自治体、民間企業、学校等に対して、訓練用の緊急地震速報を配信したり、訓練用の動画をHP上に公開したりすることを通して、訓練の機会を提供しています。
 今年は、11月1日10時00分頃に、配信を希望する自治体や企業に対して、訓練用の緊急地震速報を配信し、訓練が実施されています。 このような機会を活用して積極的に訓練に参加し、緊急地震速報が発表された時の適切な対応行動を身に付けるとともに、日頃からの地震や津波への備えの重要性を再認識していただき、普段の行動につなげていただければと思います。

 また、文部科学省の委託事業では、モデルとなっている学校において、緊急地震速報を活用した避難訓練を実施しています。昨年度までの成果報告書を掲載しておりますので、こちらのページを御参照いただき、それぞれの取組事例も参考にすることで、訓練や実際の行動に生かしていただきたいと思います。

※文部科学省では、地震・津波災害をはじめとする防災教育を推進するため、「防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業」を各都道府県・指定都市に委託し、事業を実施している。

津波防災に関連した取組②

 「世界津波の日」2017高校生島サミットin沖縄
  (開催日:平成29年11月7日(火)8日(水))

 「世界津波の日」制定元年の平成28年11月、次世代を担う世界中の子供たちに津波の脅威と対策について学んでもらうため、高知県黒潮町で、「世界津波の日」高校生サミットin黒潮が開催されました。日本を含む30カ国の高校生が参加し、津波防災についてのフィールドワークや議論を通して、日本の津波の歴史や防災・減災の取組を学び、サミットの成果文書として「黒潮宣言」が採択されました。昨年に引き続き、今年は「世界津波の日」2017高校生島サミットin沖縄として沖縄県で開催します。
 今回のサミットは「“みんなを守りたい” 津波の脅威を知り、備え、いま自分ができること。~万国津梁※1の島から発信する”ゆいまーる※2”の心~」を議論のテーマとして掲げ、世界25ヵ国の高校生約150名と日本の高校生約100名が沖縄に集い、津波の脅威と防災減災の知識について学び合い、“ゆいまーる”の心で、みんなを守るために何を行えばいいのか、自分に何ができるのか、ということについて議論します。

※1「万国津梁」:「国々の架け橋」を意味し、首里城にある鐘に刻印された一節から引用。

※2「ゆいまーる」:「ゆい」は「協働」、「まーる」は「順番」を意味し「助け合い」の精神を表現した沖縄の言葉。