今月のニュース バックナンバー
令和4年11月号
職員だより
文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課
「ぼうさいこくたい2022」、神戸で開催‼
令和4年10月22・23日に、「第7回防災推進国民大会2022in兵庫」が、神戸市のHAT神戸を中心とするエリアで開催されました。防災に関わりのある約320団体が、防災を学ぶセッションやワークショップ、屋外展示、ポスター発表等を行いました。会場には、防災関係者だけでなく、多くの家族連れや若い方々も参加しており、現地来場者数は約12000人で、オンライン視聴実数は11000回でした。
セッションの中で、防災教育チャレンジプラン実行委員会(内閣府)主催の「防災教育交流会」が開催されました。テーマは「阪神・淡路大震災以降の防災教育を振り返り、次の方向性を考える~2004年に始まった3つの防災教育の試みの20年~」でした。
最初に基調講演として、「1.17未来賞 ぼうさい甲子園」、「ぼうさい探検隊」、「防災教育チャレンジプラン」のこれまでの取組や成果、今後の方向性などが報告されました。
その後、テーマについて、防災教育の関係者らによるパネルディスカッションが行われました。防災教育の推進にあたり様々な課題がある中で、防災教育の持続的に進めていくための工夫や、ICT等を活用し楽しみながら取り組む学習方法、楽しく学習する中で学ぶべきことがしっかりあり内発的な動機を高めていくような工夫など様々な意見が出されました。その中で、例えば「防災と福祉」、「防災と国際理解」、「防災と地域」、「先生と防災の専門家」などの異なった取組や人を掛け合わせることでいろいろな視点が見えてくる「防災教育の異種格闘技戦」の提案も行われ、これからの防災教育の在り方について活発な意見交換が行われました。
当日の「防災教育交流会」の様子は、防災教育チャレンジプラン実行委員会のホームページで公開されておりますので、ぜひご覧ください。
若い学生の方々の防災への思い
会場には、大学生らが取り組んでいる復興支援や防災教育についての展示ブースも多くありました。その中の一つ「よんなな防災会学生部」について紹介します。「よんなな防災会」とは、47都道府県の公務員をはじめ、地域防災の担い手や民間企業の方、学生等の有志の方々が、防災・減災について学び合い、つながりを深めている会です。「よんなな防災会」の中で、中学生から大学院生までの幅広い学生らが学生部として、防災について学んだり、意見交換や交流を深めたり様々な活動を行っています。これらの活動の一つとして、「防災とキャリア」をテーマに講演会を開催しています。気象庁職員、NPO職員、報道記者、研究者、弁護士、医療従事者など防災に関わる様々な職業に従事されている方々から、経歴や仕事内容、防災への考え方等を学び、学生の方々の今後の活動やキャリア形成に役立てているとのことでした。
令和4年3月25日に閣議決定した「第3次学校安全の推進に関する計画」では、大規模災害の発生が懸念されている中で、地域の災害リスクを踏まえた実践的な防災教育や避難訓練について述べられています。防災教育を単に生命を守る技術の教育として狭く捉えるのではなく、子供たちにどのような資質・能力を育みたいのか、子供たちの主体性や社会性、郷土愛や地域を担う意識、自然の恩恵を学ぶことで地域への理解を深めることが述べられています。「よんなな防災会学生部」の皆さんの活動のように、防災とキャリア教育を組み合わせる取組も、先述の「防災教育の異種格闘技戦」の一つとして有効なのではと思います。
大規模災害の発生が懸念されている状況において、学生の方々の被災地への支援活動や防災教育の取組など、若い方々の活躍に期待しております。
次年度の「ぼうさいこくたい2023」は、令和5年年9月17日(日)・18日(月・祝)に、横浜国立大学を会場に行われる予定です。