今月のニュース バックナンバー
令和3年12月号
職員だより
文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課
「令和3年度全国学校保健・安全研究大会」レポート
令和3年10月28日(木)、29日(金)の2日間、2年ぶりに全国学校保健・安全研究大会が、岡山市の会場からライブ配信及び録画配信による方法で開催されました。「生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる力を育む健康教育の推進」を主題に掲げ、学校保健・学校安全の関係者約1800名が参加しました。
28日は、学校保健及び学校安全の普及と向上に尽力し多大な成果をあげた個人、学校及び団体に対する、文部科学大臣表彰の表彰式が行われました。表彰式では、三谷文部科学戦略官より、岡山県の受賞者の代表の方々に表彰状の授与が行われました。学校安全の分野においては、個人1名・学校26校が学校安全表彰を、27団体が学校安全ボランティア奨励賞を受賞されました。
受賞者については、下記のURLをご覧ください。
その後、昭和大学医学部客員教授 二木 芳人 氏より、「新型コロナウイルス感染症の現状と課題」と題して記念講演が行われ、新型コロナウイルス感染症の現状や、ウイズコロナ時代に私たちが生活や行動においてどのようなことに気を付ければよいのかについて、様々なデータを基に分かりやすくご紹介いただきました。
29日は、10のテーマ(安全は8から10課題)について、課題別研究協議会が行われ、会場から講義や研究発表がライブ配信されました。研究協議では、指導助言者の司会で、各課題のテーマについて、講師や研究発表者による意見交換や、チャット機能を活用した参加者からの質疑応答を踏まえての話し合いが行われました。
第8課題「事件や事故、災害を未然に防ぐ事前の危機管理や発生時の適切な対応について」
○ | 講師 | ||
学校安全教育研究所 | 顧問 | ||
明海大学 | 客員教授 | 戸田 芳雄 氏 | |
○ | 指導助言者 | ||
南九州市教育委員会学校教育課 | 課長 | 竹下 公博 氏 | |
○ | 研究発表者 | ||
独立行政法人日本スポーツ振興センター学校安全部安全支援課 | 課長 | 田中 文人 氏 | |
栃木県教育委員会事務局学校安全課 | 主幹 | 石嶋 幸夫 氏 | |
広島県北広島町立芸北中学校 | 校長 | 河野 通之 氏 |
第9課題「発達の段階に応じた効果的な安全教育について」
○ | 講師 | ||
東京学芸大学教職大学院 | 教授 | 渡邉 正樹 氏 | |
○ | 指導助言者 | ||
高槻市教育委員会事務局教育指導課 | 課長代理 | 小寺 基之 氏 | |
○ | 研究発表者 | ||
岡山県笠岡市立神島外中学校 | 教諭 | 藤原 勝利 氏 | |
大阪府松原市立松原第三中学校 | 指導教諭 | 大畑 直輝 氏 | |
高知県黒潮町立南郷小学校 | 校長 | 坂本恭美子 氏 |
第10課題「学校・家庭・地域が連携した効果的な安全体制整備の在り方と通学路における安全確保の方策について」
○ | 講師 | ||
大阪教育大学 | 教授 | 藤田 大輔 氏 | |
○ | 指導助言者 | ||
岡山県教育委員会岡山教育事務所生涯学習課 | 課長 | 木下 史子 氏 | |
○ | 研究発表者 | ||
岡山県高梁市立津川小学校 | 校長 | 佐藤 裕之 氏 | |
川崎市教育委員会事務局学校教育部健康教育課 | 課長 | 小竹 誠 氏 | |
広島県立五日市高等学校 | 教諭 | 田村 恵司 氏 |
第8課題では、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付データを活用した安全対策や、那須雪崩事故を教訓とした学校安全の取組、スキー事故の検証及び提言を受けた具体の再発防止の取組などの研究発表が行われました。また、学校事故の教訓を事故の再発防止や未然防止にどのように生かしていけばよいかなどについて協議が行われました。
第9課題では、地域と連携した地域安全マップづくりなどの防災教育の取組や、Internatinal Safe School(ISS)の理念を導入し、校内安全マップの作成や部活動のけがなどの取組、地域と協働した交通安全コマーシャルづくりや安全マップづくりなどの研究発表が行われました。また、発達の段階に応じて児童生徒が主体的に地域に関わる安全教育の在り方等について協議が行われました。
第10課題では、関係機関等と連携しICTを活用した防犯や交通安全の安全マップづくりや、スクールガード・リーダーを増員し関係機関等と連携し見守り体制の充実を図った取組、地域や関係機関が連携した高校生と小学生の防災に関する地域の巡検等の取組などの研究発表が行われました。また、学校・家庭・地域等の効果的な連携の在り方についての協議が行われました。
今年度は、初めてのウエブ開催となりましたが、安全上の課題が複雑化・深刻化する中で、学校安全の先進的な取組を学ぶとともに、今後の学校安全のあり方について多くのヒントを得ることができました。
本研究大会は、全国の学校保健・安全研究大会の関係者が広く参加できる会となっており、次年度は、令和4年11月10日(木)・11日(金)に岩手県盛岡市で開催される予定です。多くの方々のご参加をお待ちしております。