今月のニュース バックナンバー
令和3年10月号
職員だより
文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課
第1回フェーズフリーアワード2021「鳴門市教育委員会」ゴールド受賞‼について
令和3年9月11日(土)、フェーズフリーアワード2021の授賞式・シンポジウム(主催:一般社団法人フェーズフリー協会)が、東京都江東区の清澄庭園の大正記念館で開催されました。授賞式では、事業部門において、鳴門市教育委員会の「PHASE FREE CONCEPT & GUIDEBOOK for School」が、ゴールドを受賞されました。心よりお祝いを申し上げます。
フェーズフリーというのは、「日常時」と「非常時」という2つのフェーズをフリーにするという考え方です。身のまわりにあるモノやサービスを、日常時はもちろん、非常時にも役立てることができるようにというものです。例えば、防災用品のほとんどは普段はしまっていて、非常時のみに使用します。フェーズフリーの考え方では、防災用品を非常時のもしもの際に役立つだけでなく、日常時のいつもの生活で便利に活用できるモノとして商品を開発し、日常から使用しようというものです。「いつも」が「もしも」に役立つというものです。
鳴門市教育委員会では、令和2年度文部科学省「学校安全総合支援事業」の委託事業において、このフェーズフリーの考え方を防災教育に取り入れ、先生方向けのガイドブックを作成しました。毎日の学校生活において、子どもたちが災害をより身近なもの、生活に即したものとして学び、災害対応力を高めることを目的としています。
ガイドブックには、フェーズフリーを学校教育に取り入れる利点や、幼稚園や小中学校でどのようなフェーズフリーが考えられるか具体的な実践事例が紹介されています。例えば、「係・清掃・給食・委員会活動等」で、係の仕事に責任を持ち、友達と協力しながら取り組んだり、ルールを守り礼儀正しく、自ら手伝おうとしたりすることが、発災時にも生活規律を保って生活しようとする態度につながること。「算数・数学」の速さの学習と「体育」の短距離走・持久走等を関連させ、自分の走る速さと津波の速さを比較することで、スピード感をイメージしながら速さの学習に取り組むとともに、早く避難する必要性を感じることにつながることなどが紹介されています。
三浦克彦教育長は、受賞後のスピーチで、「本市では、学校教育にフェーズフリーを導入し、毎月1回、フェーズフリーの日を設定し、浸透を図っています。来年度から、本市ではコミュニティ・スクールを導入する予定なので、その核となるものにフェーズフリーを取り入れ、家庭や地域にも広げていきたいと考えています。受賞を励みとして、実践事例を積み上げていきたいです。」と、受賞の喜びととともに、これからの抱負について話されていました。
教科等横断的に取り組む安全教育において、フェーズフリーの考え方を取り入れた鳴門市教育委員会の取組をぜひ参考にしていただければと思います。
鳴門市教育委員会が作成したガイドブックは、こちらからご覧いただけます。