今月のニュース バックナンバー
令和3年2月号
職員だより
文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課
警察と連携した実践的な防犯教室の取組事例
子供が日常生活の様々な場面における危険を理解したり、子供自身で安全な行動を取れるようにするため、各学校では様々な工夫を凝らしながら防犯教室などを行っていることと思います。
私たちはこの度、千葉県印西市立小倉台小学校にて「父母と教職員の会」主催の防犯教室(4年生対象)を視察する貴重な機会をいただきました。小倉台小学校では、普段から警察・行政・保護者・地域の方々と連携した安全教育や見守り活動に取り組んでいます。
防犯教室で子供たちに講話をしていたのは、千葉県警察本部生活安全部生活安全総務課の犯罪抑止チーム「よくし隊レディ『あおぼーし』」の皆様です。
「よくし隊レディ『あおぼーし』」は、女性が被害者となりやすい性犯罪等を抑止するため、平成28年3月に県警生活安全部の女性警察官を中心に結成されました。翌年5月には少年補導専門員をチームに加え、女性と子供の犯罪被害防止に取り組んでいます。
実施する対象は幅広く、小・中学生はもとより、幼児から大学生まで、また民間企業や行政の社会人に対しても出前型の防犯講話を行っています。
防犯講話で最初に教えるのは「いのちの大切さ」。子供たちは一つしかない大切な命を自分で守ること、また自分の命だけでなく家族や友達の命も同じように大切なものだということを学びます。
そして、大切な命を守るための具体的方法について、子供たちに考えさせながら進めます。例えば、怖いことがあったら、助けを求めるときに逃げ込むのは近くにある家か、少し先にある子ども110番の家か、どっちかな?と質問をすると、子ども110番の家に手を挙げる子供が多いです。近くにある家に手を挙げる子供もいて、なぜそう考えたのかを発表してもらいます。子ども110番の家も正解だけど、いざという時は近くの家に素早く逃げ込むことが大切、すぐに助けを求めることの必要性を学びます。
最後に「大切なお話」として、水着になっても隠れているところは大切な部分だから人には見せてはいけないところ、という性被害に関することや、ネットでの書き込みに関する注意点・SNSの使い方についても触れていました。
また、事前にクラスの代表者にランドセルを持ってきてもらい、防犯ブザーはどこに付けているか点検をしたり、実際にお腹に力を入れて大声を出す練習をしてみたりと、実践的な手法を取り入れていました。
「あおぼーし」の永田さんは、子供たちが自分の命を大切に思い、自分を守る方法を身に付けるには警察官が制服姿で行う防犯教室も大切だけれども、日常生活を通じて先生や保護者等から繰り返し学ぶこともとても大切であると話していました。