今月のニュース

令和2年12月のニュース目次

令和2年12月号

職員だより

文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課

チーム学校安全 リレー寄稿③ ~山形県教育委員会における学校安全の取組~

1 本県の学校安全推進について

 本県では、子どもたちの大切な「いのち」を守るために、教育委員会、学校、そして家庭・地域が連携し、「安全・安心な学校づくり」を推進しています。
 具体的な取組として、下図のとおり、1危機管理対策、2子どもの「いのち」を守る強化月間の実施、3通学路の安全点検を柱に児童生徒の安全確保に努めております。

令和元年度 学校安全の推進について
2 本県の現状

 令和元年6月の山形県沖地震、10月の台風19号による浸水被害、令和2年には7月豪雨による最上川流域の氾濫など、近年本県においても自然災害が多発しています。また、子どもに対する声かけなどの不審者事案や、市街地・学校敷地内におけるクマの出没など、子どもたちの身近に危険がせまる状況があります。このようなことから、学校・家庭・地域・関係各機関が連携して子どもたちが安全に安心して生活できる環境を整備していくことが課題となっています。また、環境整備とともに、児童生徒が危険を予測する力や危険を回避する力、危険に際して自ら命を守り抜くための「主体的に行動する態度」をこれまで以上に育成することも大切であり、安全教育・安全管理のあり方や家庭・地域・関係機関等と連携した総合的かつ効果的な学校安全のあり方を構築していく必要があると捉えています。

3 研修会の実施

 県内の現状を踏まえ、毎年「『子どものいのちを守る』学校安全指導者研修会」を開催し、県内の教育関係者等を対象に学校安全の3領域における講演や実践発表、研究協議などを行っております。
 令和2年度は、新型コロナウイルスの影響により、規模を縮小して開催しましたが、令和元年度は、県内2箇所で開催しました。以下にその内容の一部を紹介いたします。

【山形地方気象台との連携】
 気象台が発表する特別警報・警報・注意報、洪水警報、大雨警報(浸水害・土砂災害)などが「どのような情報」で、住民は「何を注意するべきなのか」、防災気象情報の具体的な利用は「どのようにすればよいのか」、平時における災害への備えと行動など、地域の状況を踏まえた具体的で分かりやすい講演をいただきました。また、山形地方気象台では防災教育支援として、学校への出前授業も行うなど、防災教育指導に取り組む教員等に支援を行っていただいております。

【山形大学との連携】
 山形大学大学院教育実践研究科教授 村山良之 氏を講師として招聘し、防災教育「津波・大雨災害を想定した学校防災の推進のために」と題して下記の内容で御講演いただきました。

A 大雨避難ワークショップ

B 地理院地図を利用してハザードマップを読む

C 学校防災について

  1. 東日本大震災の経験を踏まえて
    学校の「防災管理」でとくに留意すべきこと
  2. 学校の「防災教育」で考えるべきこと、および
    防災教育(と評価)の事例・手法
  3. 学校の「防災教育」でさしあたって教えるべきこと(まとめ)

 参加者は、ワークショップで避難のタイミングの難しさを疑似体験し、また国内で発生した大雨災害事例から、「防災にはあらかじめ決まった正解はなく、後から正解だったとわかる」こと、「なにより早めの対応・避難が大切である」ことを、改めて確認することができました。そして、子どもが率先避難者として重要であることを学びました。
 また、ハザードマップの読み取りについては、Ⅰ~Ⅲに記載のとおり、ハザードマップと地形との関係や、ハザードマップの想定外も考えることが大切であり、実際の災害場面では、臨機応変の判断と行動が必須となること、マニュアルからの即興的な逸脱も必要な状況があることを常に心に置くべきであると教えていただきました。

Ⅰ ハザードマップを素直に読み取る。

  • ハザードマップから場所(自宅、学校、職場など)の確認をする。
  • 凡例等を参考にして、ハザードの種類、程度等を読み取る。
(庄内町ハザードマップによる)

Ⅱ ハザードマップと地形の関係を考えて読み取る。

  • 崖、坂道、傾斜、起伏等の記憶と絡める。
  • 地形分類図(地理院地図等)とあわせて考える。
(「地理院地図」により各種地図を表示)

Ⅲ ハザードマップの「想定外」も考える。

  • ハザードマップの想定の前提(条件)を理解する。
  • それ以上の場合(大津波、大雨、堤防決壊等)も考える。
  • ハザードマップにないものでも、地形からリスクを考える。
     例)扇状地=土砂災害、後背湿地=洪水など
【おわりに】

 参加者からは、本研修会の学びを所属校での実践に活かした事例として、年度内の研修会や訓練などに活かせたことや、次年度の計画等に取り入れたことなどを報告していただいております。今後も各校においての実践が、本県における安全教育の向上につながるよう、学びの深い研修会の企画運営に取り組んでいきたいと考えております。

(山形県教育庁スポーツ保健課 学校安全担当)