今月のニュース バックナンバー

令和2年2月号

職員だより

文部科学省 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課

令和元年度「学校安全総合支援事業」全国成果発表会レポート

  1月31日(金)、国立オリンピック記念青少年総合センターにて「令和元年度『学校安全総合支援事業』全国成果発表会」を開催し、全国の学校安全の関係者約130名が参加しました。

  今年は、昨今の学校安全の課題となっている通学路の安全の取組を中心に講演・シンポジウム・ワークショップ等を実施しました。
  はじめに、学校安全教育研究所事務局長 矢崎良明様から、「子どもを犯罪からどう守るのか~過去の事例を通して~」と題して、講演をしていただきました。登下校時に児童生徒が犯罪に巻き込まれた事例や諸外国と日本の通学路に関する意識の違いや、児童生徒等が「一人にならないことが大切である。」とのお話がありました。そのために学校、家庭、地域がそれぞれに担うべき役割をもう一度整理することが必要であると示唆していただきました。

<シンポジウムの様子>

  そして、「学校、家庭、地域、関係機関が連携して子供を守るには」をテーマにシンポジウムを行いました。
  シンポジストとして、

学校安全教育研究所 事務局長 矢崎 良明様
うさぎママパトロール教室 主宰・安全インストラクター 武田 信彦様
警察庁生活安全局 生活安全企画課 課長補佐 岡澤 敬子様
新潟県教育庁 保健体育課 副参事・指導主事 中澤 正明様

  以上の4名の皆さまに御協力いただきました。
  通学路の安全確保について、シンポジストそれぞれの立場での取組や課題について発表していただき、会場の参加者からの意見も交えながら討議を進めました。「登下校の安全を確保するには、保護者の送迎やスクールバス等が有効であろうが、子供たちの体力を高めさせるために歩かせるべきだとの保護者や地域の意見もある。」との学校現場の率直な声もあがり、熱のこもった討議となりました。

<実践発表の様子>

  次に、本事業を受託した自治体のうち秋田県、和歌山県、福岡県から実践発表をしていただきました。秋田県からは交通安全の取組を中心に、歩行環境シミュレーター「わたりジョーズ君」を活用した安全教育の取組について紹介いただきました。
  和歌山県からは防災教育の取組を中心に、田辺市の「ぼうさい未来学校」の取組を紹介していただきました。
  福岡県からは防犯の取組を中心に、新宮町立新宮東中学校におけるコミュニティ・スクールを活用した地域と連携した取組を紹介いただきました。参加者は、それぞれの地域の実情に即した学校安全の具体的な実践事例に耳を傾けていました。

  最後に、参加者によるワークショップを行いました。参加者が6~7人のグループに分かれ、「地域と連携した学校安全体制の構築」をテーマに、各都道府県等の取組の状況や今後の課題などについて共有し、解決策を探りました。終了後のアンケートでは、「他県の取組を知ることができ、次年度の取組の参考になった。」「色々な悩みと安全に対するヒントをいただきました。」などの意見をいただきました。

<ワークショップの様子>

  今年度は、会場に国土交通省や防災科学技術研究所をはじめとする学校安全に資する活動を行っている関係省庁や企業、団体のブースを設置しました。それぞれに特色のある取組を紹介いただきました。

  今回の成果発表会の内容をそれぞれの地域に持ち帰り、学校安全の取組をさらに充実させていただければと思います。